明真流合気柔術
明真流の語原
明真流の語原は以下に決まる。「明」は、「日」と「月」の漢字から作られており、それは「天照大御神」と「月読命」を示す。それすなわち天皇を中心とした日本そのものを指す。「真」は、「誠」「心」「神」を表し、日本人として真の心、真の誠実、真の精神を持つ事を心得とする事を目指す。よって当流派は「明真流」と称す。明真流を修行する者は、老若男女・国籍人種を問わず、武士道精神を胸に、誇りを持ち人に恥じない生き方考え方精神を技法の修行を通じて養う事を常に忘れてはならない。技の評価の対象は自分と師匠だけであり、同門を常に尊敬し、敵対してはならない。また、他流とは全く違う独特の武道である明真流において、他流を批判することは無い。修行するのは常に己のみであり、技のつながりは師弟関係のみ。横に並ぶ全ての同門は同士であり、お互いに同じ山頂を目指す仲間であることを忘れてはならない。
門人は流祖の教えは常に守りつつも、新しい技術が取り入れられる時は、常に新しいことに挑戦する事をためらわない事。ただし、新しい事を取り入れるのは「守・破・離」において離の段階に入った人間、免許皆伝になった時だけである。門人はそれまでは、師匠の教えに従い流祖の理念・理合・術理を相伝するまで理解する事につとめること。
明真流合気柔術とは
明真流合気柔術は、天照会師範の安積が合気道と大東流の合気、それに日本古武道の鎧組討ちを統合して創立した新興武術です。
明真流の技は、柔術、合気柔術、合気の3つに大きく分類され、そこに鎧組討ちの超接近戦と寝技、中国拳法から取り入れた当て身が加わり構成されています。
柔術は、創立者が習得したスティーブンセガールの合気道の技で構成されており、主に関節技や崩しを主体とした投げ技を指します。セガール合気道は間接や体の構造を理解し、より効果的に改良された技で、基本的な習得は早く誰にでもできる護身術です。特に明真流では、足捌き、体捌きキ、手捌きに重点をおいており、間接の構造をしっかりと理解する事や、全身を同時に使うことで予備動作の無い無拍子の動きを目指すのが特徴です。
合気は、大東流合気柔術の師範・故岡本正剛の技で、「円」「呼吸」「条件反射」をあわせ巧みに相手の身体をコントロールして投げる・固める高度な技法です。合気は極めれば、指や耳でも触れただけ複数の人間を同時に投げるほどの技法で、起源は武田惣角と伝えられ、その後多くの門人に伝わった技法です。その中には合気道開祖・植芝盛平や、岡本正剛の師匠・堀川幸道がおります。創立者は岡本師範に4年師事し、自分なりに合気と言うものを理解し研究し、明真流に取り入れました。
合気柔術は、合気が万能ではないと考えた創立者が、同じ技でありながら合気でも投げられ、柔術でも投げられる二つの側面を同時に持つ技として独自に開発した技です。従って、世間一般に言われる合気柔術とは大きく異なる明真流独特の技法です。
大東流の合気と明真流の合気は似て非なるもので、岡本正剛の合気に、合気道十段・故阿部醒石から直接指導を受けた創設者が阿部十段の指導内容をヒントに、合気道の合気と大東流の合気を組み合わせた物です。独自とは言い難いですが、この二つの合気が組み合った合気は他には存在しないのも事実です。
明真流は大東流の後継団体では無く、創立者は岡本正剛の合気を継承している者ではありません。創立者は大東流は二段しかもっておらず、師事した期間もたったの4年であり、岡本正剛の後継者とは成り得ない存在です。
合気道における合気はすでに「和合の道」と言う理念へと変わったと創立者は考えており、明真流においては合気道の合気の理念も取り入れています。技法としての合気と、理念としての合気を両方極めるべく修行刷るのが明真流の心得となります。
明真流は、柔術・合気柔術・合気の三つから構成されており、試合などは行わず、護身を目的とした武術であり、最終的には全てを網羅する合気習得を目指す武道です。
合気と合気道以外にも、当代限りで失伝してしまう古武術である鎧組み討ちも創立者は継承しており、日本の伝統と技を後生に残す為、また合気道だけでは補いきれない、様々な局面を補填刷るために、明真流では多くの鎧組み討ちの技法も柔術として取り入れています。
また、打撃・当身も創立者独自の研究に日本拳法や中国拳法の技法を取り入れた独特の打法です。明真流の打法はあくまで合気道の柔術の一部として、しかし時として護身には必要な技であるとかんがえてます。打法は柔術の一部として明真流では稽古します。